土曜日, 6月 19, 2021
Home News NO BORDER-もしくは横断する力について-

NO BORDER-もしくは横断する力について-

TRiCERAでは11月21日(土)から12月5日(土)までグループショー「NO BORDER」を開催します。この記事ではアーティストを選んだポイントや各アーティストの見所を解説したいと思います。

「分からなさ」を楽しむアート

今回はジャンルや線引きが難しく、型にはめて鑑賞することが出来ないような方々を選出しました。
日本にも海外にも、それから今も昔も、アートにはいろいろなジャンルがあります。今回選んだアーティストは既存の枠組みからは説明が難しい方々が多いと思います。でも言葉に出来ないということは、それだけ新しさを持っているということの証拠かも。

目で見て楽しむことももちろんですが、その作品の魅力を言葉で楽しむことができる点は現代アートの特権かもしれません。
絵具やキャンバスの裏側にあるアーティストの思考そのものを、ぜひ楽しんでみてください。

参加アーティストについて-注目するポイント-

平田尚也 | Naoya Hirata

平田さんは1991年長野出身のアーティストですが、特徴はなんと言ってもネット上から集めたデータを使って仮想空間で彫刻を制作するという姿勢。だから自分のことも彫刻家だと言います。平田さんは「空間性と時間性を持ったものが彫刻」だと考えていて、既存の空間や素材(鉄や木材)の捉え方が違うだけで、やっていることはトラディショナルな彫刻作品なのです。彼の作品は「デジタルとリアルは対義語なのか?」と考えさせられ、何より現代人である私たちにとっての空間や時間を問い直すきっかけにもなります。

預言者 2019 33 × 27.5cm アルミニウム合金にデジタルシルバープリント Edition1/3 

畑直幸 | Naoyuki Hata

九州を拠点に活動している畑さんは、最近では被写体に色を塗って撮影するというスタイルで制作をしています。人間の目は光を反射によってものを見たり、色を判断したりしますが、畑さんの作品を見ていると、自分たちの目に見えている色は本当の色とは違うかもしれないなという思考と直結すると思います。ある意味、人間の視覚を試すような写真作品なんですね。

g/b//u/ #1 2020 29.7 × 42cm デジタルシルバープリント Edition1/10 

斉木駿介 | Syunsuke Saiki

斉木さんはキャンバスをディスプレイに見立てた絵画を制作するペインター。情報やコミュニケーションの多くをスマホやPCに依存している私たちにとって端末のディスプレイは目そのもの、視界そのものに近いと思いますが、そういう現代人のパースペクティブであるディスプレイを模した斉木さんの絵画は、ある意味、存在それ自体がすごく立体的だと思います。私たちの目そのものを取り出したかのような、どこかシニカルさがありますよね。

日常とディストピア 2019 60.6 × 91cm アクリル・油彩・キャンバス

只野彩佳 | Ayaka Tadano

只野さんは日本画の技法を使いながら現代絵画のようなテーマを用いる方。「いつかは消えてしまう私たち人間」という刹那的な様を描いた風景画を手掛けています。日本画は鉱物を原料にした絵具を使うので表面がざらざらとしているのですが、そのモノ感が只野さんのテーマである「永遠性のなさ/モノはいつかなくなる」と相まってすごく感傷的な演出になっていると思います。

まだ旅の途中 2020 35×50cm 岩絵具・木製パネル・和紙

曾超 | Zeng Chao

中国出身のゼン・チャオさんは中国絵画の伝統と現代絵画をマッシュアップするひと。中国では伝統的に「どれだけ気が表現されているか」が絵画の評価ポイントになるんですが、彼はわざと絵筆の跡がわかるように仕上げることで描いているときの自分の息遣いや感情の揺らぎを表現し、気を可視化させます。言い換えるとすごく画家の存在が見え隠れする絵画作品なんです。

KS190829 2020 53×53cm キャンバス・油彩

ニール・トムキンズ | Neil Tomkins

ニール・トムキンズは実際の風景とそれを見る人の感情の間にこだわりを見せます。ひとって景色を見たり思い出したりするときにはその時の気持ちが混ざると思いますが、彼はそんな風にひとは風景を通して自分自身の感情を見つめているんだと考えるのです。

Morning Sprit 2019 46×36cm アクリル・キャンバス

ガヒョウ・チョ | Gahyo choe

韓国を拠点に活動するガヒョウ・チョの作品は、すごく端的にいうとゼロから空間をつくり上げているのが面白いところ。彼女は自分の見た夢をスケッチし、それをつぎはぎしながら風景を組み立て、夢の質感を表現するためにごく薄く絵具を塗り重ねるんです。絵画の文脈でいうと、どちらかといえば抽象絵画のようでもあるし、でも夢の中の視覚を描いている点では具象性もある。夢と現実の関係性のようにすごく微妙なラインを描いているようにも思えます。

Free world#1 2019 65×53cm ガッシュ・オイルパステル・キャンバス

アートを知るということ

絵画にせよパフォーマンスにせよ、アートとしてどうしても逃れられない点って目に見えるものであることだと思います。視覚情報ってものすごく強力。人は見た目が100%と言われたりしますし。でもアートは作り手の感情とか思考とか、あとは歴史とか社会状況などを造形物という言語で語るものかなと。視覚で完結しててももちろん良いのですけれど、その後ろにアクチュアルに存在している思想を鑑賞するともっと楽しいと思います。

「このピカソの絵はどうしてこんなぐちゃぐちゃなのか?」とか、見方を変えると作品は謎かけのような仕組みを持っています。アートというなぞなぞは、その解き方を自分なりに見つけていくところに楽しみの一つがあるのかもしれませんね。

執筆者プロフィール

Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

Most Popular

You Might Like

Go Ogawa: 現実から幻想を作り出す

"私の作品には色がなく、あなたが見ているものはプリズム効果に過ぎないので、すべてが単なる錯覚に過ぎません。" <a href="https://www.tricera.net/en/id81000200015" Go Ogawaは2011年に日本のアート集団C-DEPOTに参加。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河系の映像をホログラフィック・プラスチックフィルムを用いて立体的なインスタレーションを制作したことで知られる。 今回のインタビューでは、彼の芸術の原点、彼の作品が彼自身にとって何を意味するのか、そして色という媒体で実験を続けてきた彼に話を聞いてみました。このインタビューは長さとわかりやすさのために軽く編集されています。 伝統的な彫刻のルールからの脱却 ホログラフィックフィルムアート。カラフルなイリュージョンを作成する透明なアート 未来への大胆な一歩 Go Ogawaのアートを購入する場所 伝統的な彫刻のルールからの脱却 "「私の銅像は、単にルールを破っただけでは、大学には受け入れられませんでした。」” どのようにして今のアーティストに成長したのでしょうか? 東京藝術大学に入学した時は、今の仕事に関連した考えはありませんでした。妹が他大学で美術を学んでいたので、私もアーティストになりたいと思っていました。人の形を彫ることは、アーティストになるために必要なことだと思っていたので、その時に力を入れていました。 しかし、私はすぐに彫刻の伝統的なルールに縛られたくないと感じました。例えば、女性の彫刻を作るときには、像は自立していなければならないのですが、私はそれに挑戦して、壁にもたれかかるように彫刻しました。この「立つ」ということは、ルールを破っただけでは大学に認められないということで、私には違和感がありました。それ以来、自分の作りたいものを自由に作れるように努力しています。 影響を受けたアーティストは? 学生の頃は好きなアーティストがいなかったのですが、東京の原美術館での個展を見て感動して以来、今は特にオラフール・エリアソンが好きになりました。彼はとても賢いアーティストで、自然の構造や成り立ちを研究して、その構造を作品に再構成しています。彼のアプローチは、私自身のアプローチとどこか似ている気がします。私は彼に大きな影響を受けています。 また、頂点に燃え続ける炎が噴出する噴水Waterflameや、白い立方体のアート空間の中で金属製の大きな球体を転がして壁を破壊するインスタレーション360° Presenceなどの作品を制作してきたイェッペ・ハインの影響を受けています。私はこういう作品に大きな影響を受けています。表現の形ではあまり影響を受けていませんが、私たちの作品で見る人の心を動かし、注目を集めることを目的としている点では共通しています。 影響を受けた日本のアーティストを挙げるとすれば、吉岡徳仁の作品に通じるものを感じます。特に、日常生活の中で起こる些細な思いやインスピレーションを深く掘り下げて作品にしていく吉岡徳仁の姿勢には、とても共感しました。 “...根底にあるテーマは「幻想と現実」” <a href="https://www.tricera.net/en/id81000200015" 作品を通して表現したいテーマは何ですか? 私の作品が視覚的に魅力的であると多くの人に感じてもらえるのは嬉しいことですが、根底にあるテーマは "幻想と現実 "です。私の作品の最大の特徴は、錯覚を表す色と、現実を表す複雑なベースの色です。 ホログラフィックフィルムアート。カラフルなイリュージョンを作成する透明なアート "存在していても認識しにくい形という考えは、自分の作品にはとても合っていると感じました。" 現在のホログラフィックフィルムのアートスタイルをどのように発展させたのか教えてください。 ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された写真を見るのが大好きで、プラネタリウムとは違う新しいアプローチで宇宙を表現する方法を探していました。その中で、自分に合った素材を探し続け、大学院を卒業する頃に特殊なフィルムを見つけました。それからは、そのフィルムをどうやって作品に使うかを実験しました。フィルムは薄いシールのようなものなので、透明なアクリル樹脂の表面にしか貼れません。 それから表面のデザインを始めました。最初の段階では、ガラスの球体を下地にしてフィルムを貼り付けたり、試行錯誤を重ねて、今のスタイルにたどり着きました。 この透明素材とホログラムフィルムの組み合わせはどのように選ばれたのでしょうか? 大学で彫刻を勉強していて気づいたことです。彫刻家は常に彫像の細部を深く気にしていますが、表面が透明であればその細部は見えません。ディテールの高い透明な彫像の矛盾は、大学院で研究していたテーマの一つでした。存在しているのに気づきにくい形という考え方は、自分の作品にとても合っていると感じました。 また、私の作品は色がついているように見えますが、実際には色がついていません。私の作品に見える色は、アクリルの下地の屈折と光が一定の角度で反射してできた光の反射に過ぎません。表面の複雑なディテールは透明なので、形がはっきりとはわからないのですが、私の作品には色がありません。私の作品には色がなく、プリズム効果にすぎないので、すべてが錯覚にすぎません。 <a href="https://www.tricera.net/en/id81000200017" フィルム自体には色はありませんが、蒸着法で作られた金属粉の薄い層が青や赤など様々な色の光を反射しています。私の作品は、月明かりで見ると完全に透明になります。太陽の光の下では、色のスペクトルが見えます。黄色の光では暖色系の色が見えますが、蛍光灯では波長が足りず、作品の色が出ません。太陽光の下では一番良いのですが、室内の照明であればLEDが一番色が出やすいですね。 光源の多い場所では、光の影響をあまり受けず、色が拡散してしまいます。暗い背景にスポットライトを当てて見るのがベストです。 <a href="https://www.tricera.net/en/id81000200017" 光源はともかく、設置環境によって色が異なります。例えば、白を背景にした場合は柔らかい淡い色調ですが、黒を背景にした場合は濃い色調になります。 1枚のフィルムは、光が反射したり、フィルムを通過したりすることで、2種類の色を作り出します。フィルムを透過した光の色は、表面の形状が落ち着いている時や平らな時を除いて、多くの種類の表面形状ではっきりとした明るい色になります。そのため、エッジや起伏を多く入れて、よりはっきりとした色を出すようにしています。 私の作品は、フィルムの種類、透明な基材、表面のディテールや形、という3つの要素の組み合わせによる無数の実験に基づいています。3つの要素のうち2つの要素の組み合わせをたくさん試し、その結果を見て、組み合わせて作品を制作しています。 アクリル樹脂のベースはどのように成形するのですか? ハンドグラインダーで大まかに形を切り出していきます。ほんの少しの微妙なうねりでも色が変わってしまうので、最終的な研磨はサンドペーパーの粒度100~2000と研磨用のコンパウンドを使って手で行います。 普段は実物を題材にすることはありませんが、具体的な依頼があった場合はそうします。一度、鹿を作ってほしいと言われたので、鹿の形をした作品を作りました。茶道のアイテムを作ってほしいと依頼されたことがあったので、小さな砂糖菓子の入れ物を作りました。 フィルムとアクリル樹脂の形状の組み合わせで無限のアイデアを表現できるのが面白い。 作品は見る角度によってどのように色が変わるのでしょうか? まるで光の芸術作品のように色が完全に変化します。しかし、光を科学的なアプローチで研究していることから、私が追求していることは、印象派の巨匠が追求していることに近いのではないかと思います。 上の写真がその良い例です。同じプリズム状の柱を並べて配置したものですが、角度によって全く違う色が見えます。 このアクリル素材は経年劣化しますか? 私は建材で一般的に使われているアクリル樹脂と同じものを使用していますので、よほど過酷な環境に放置しない限りは問題ないはずです。 未来への大胆な一歩 “...宇宙空間での展示会を開催したいと思っています。” 作品を制作する際に、今は何を重視しているのか、これから挑戦してみたいことは何ですか? 現在は、アクリルベースのうねりによって色がどのように変化するかを研究しています。最初はガラスの球体を使っていたのですが、ガラスの球体は屈折が一定なので、アクリル樹脂を彫刻して面白くしています。私にとって展覧会というのは、実験の結果の集合体のような気がします。また、複数の作品を並べるとどうなるかという実験もしています。 今後は、飛び石などの日本庭園に自分の作品を取り入れてみたいと思っています。また、テーブルなどの家具も作ってみたいと思っています。同じようなカテゴリーでは、シャンデリアを作ってみたいと思っていますし、ステンドグラスも興味があります。 作品の展示については、宇宙空間で展覧会をしたいと思っています。あと、いつか万里の長城のような規模の大規模な展覧会をやりたいですね。宇宙から見えるような大きなインスタレーションを。 特に宇宙展に興味があります。他の作家はまだ宇宙で作品を展示したことがないので、ぜひやってみたいと思っています。 Go Ogawaのアートを購入する場所 TRiCERAでは、Go Ogawaの作品を多数ご紹介しております。他のC-DEPOTのアーティストもご紹介しています。

内容と画法で目を引く作品

Maria Farrar “Too late to turn back now” OTA FINE ARTS Installation view of “Too late to turn back now” (2019) by Maria Farrar at...

小山登美夫ギャラリーからMAHO KUBOTAまで7月に行きたい展覧会

 新型コロナウイルス流行以前には考えられない生活を送る中、全世界の各業界で「ニューノーマル」に対応する動きが見られる。アートにおいても例外ではなく、業界で働く者から鑑賞者・コレクターも展覧会やアートフェアの中止、延期、行動制限など、コロナによる動乱によってアートとの関わり方に影響が様々に及ぼされたことであろう。  そんな昨今、来場者に対して細心の注意を払いつつ、国内屈指の有名ギャラリーらは先頭を切って新たな展覧会の開催を決めた。今回は、小山登美夫ギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY、ミヅマアートギャラリーの3ギャラリーをご紹介する。  小山登美夫ギャラリーでは7月10日(金〜8月8日(土)の期間、桑原正彦展「heavenly peach」が開催される。本展は作家にとって当ギャラリーにおける12回目の個展となり、新作も発表される。  桑原は1990年代の後半から一貫して、「いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化」に着目して、作品制作をしてきた。  進化、効率、大量生産、加工、洗浄、商品価値を求めるのに伴う破壊、汚染。60、70年代日本高度成長下の幼少期の思い出とともにある様々な変化を、奇妙な生物、ペットとしての動物、おもちゃ、風景、折込チラシの無名の女の子たちや建売住宅のイメージを通して作品にしている。  本展のタイトル「heavenly peach」は芳香剤のような、何かが終わった後に残っている微かな香りのイメージだと桑原は言う。現代への皮肉や空虚感はありつつも、決してつき放すわけではない。「いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化」に着目してきた彼の作品世界に触れることで、今後の「ニューノーマル」な世界に対する自己のあり方を再考してはどうだろうか。 開催概要展示名:「heavenly peach」会期:7月10日(金)〜8月8日(土)参加作家:桑原正彦会場: 小山登美夫ギャラリー六本木(​東京都港区六本木6丁目5−24 complex665)営業時間:11:00~19:00定休:火曜日 お問い合わせWeb:http://tomiokoyamagallery.com/メール:info@tomiokoyamagallery.comSNS:https://twitter.com/tomiokoyama MAHO KUBOTA GALLERYでは 7 月 1 日より村井祐希の個展「ゆらいむうき」を開催する。 これまで自身が発明した「オムライス絵具」の使用や「着る絵画」「動く絵画」などペインティングの身体性を独自解釈的に追求してきた村井祐希。本展では村井の鋼の実践のもとに安易な絵画論を超えた圧倒的な熱量の作品群が出現する。 絵画における「身体性」についてのステレオタイプな言説を超えた大作の「動く絵画」、そして「運動体をともなった絵画」など、規格外の作品によるインスタレーションが発表される今回の企画だが、既存の体制・構造について常にアナーキーに向きあい続けた村井の内面の一端が垣間見える展示となっている。 アートは型に押し込めることのできない境界線が曖昧なモノではありつつも、往々にしてアーティストは自己と世界との対話を繰り返しながら新たな表現を生み出してきた。鑑賞者は想像の主導権に揺らぎをもたらされながら、村井作品との深度のある遭遇を果たすことによって、新たな時代を生き切り開くアーティストの内面を理解するだろう。どうやら「ニューノーマル」な時代を生きるのにアートやアーティストから学ぶことは多そうだ。 開催概要展示名:「むらいゆうき」展会期:7月1日〜8月1日参加作家:村井裕希会場: MAHO KUBOTA GALLERY(​東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F)営業時間:12:00~19:00定休:月曜日、日曜日、祝日 お問い合わせWeb:http://www.mahokubota.com メール:info@mahokubota.com  アーティスト・加藤愛(愛☆まどんな)の個展が、6月24日から7月18日まで、東京・市ヶ谷のミヅマアートギャラリーで開催される。  本展は、6年前より制作が開始された「彼女の顔が思い出せない」シリーズを中心に構成されている。「目を閉じると自分がどんな顔をしていたか思い出せない」という、アイデンティティと密接な関係である顔との乖離をきっかけに、現在の顔をある種記録的に描写する。現在の「今顏」を残し、自分と対峙するために製作された同シリーズは代表作となった現在も、「彼女の顔が思い出せない」シリーズを加藤は変わらぬ姿勢で製作している。  本展のタイトルは、コロナ禍によって中止されたアートフェア東京に展示予定だった作品が行き場をなくして部屋の片隅に置かれている姿が、いまの情勢を表しているように感じ名付けられたという。作品と現在の生活状況とを見比べることによって、鑑賞者は感じ入るものがあるだろう。 開催概要展示名:「ひあたりのわるいへや」展会期:6月24日〜7月18日参加作家:加藤愛会場: ミヅマアートギャラリー(​東京都渋谷区神宮前 2-4-7 1F)営業時間:11:00~19:00定休:月曜日、日曜日、祝日 お問い合わせWeb:https://mizuma-art.co.jp/メール:gallery@mizuma-art.co.jp

Koalanov – アニメとリアリズムの魅力を持つ女の子

フィリピーノの若手アーティスト、コアラノフは、iPadを使って半現実的なものからアニメーションのようなドローイングまでを制作しています。彼女の作品には魅力的なキャラクターが描かれており、暖色系の色と焦げた色合いで描かれ、光と影のコントラストを生み出しています。 彼女の作品の特徴は、誰かの記憶の中にありそうなシーンを描くことが好きなので、作品の背景にあるストーリーよりも、少女のポーズを重視しています。音楽、友人、ショー、夢など、様々なものからインスピレーションを受けている彼女の絵を見て、その思い出を楽しんでもらいたいと思っています。 過去にはミュージシャンとのコラボレーションや、リリースされたばかりの楽曲のカバーを手がけたこともある。今後もミュージシャンやイラストレーターとのコラボレーションを楽しみにしている。今後もアーティストとしての活動の幅を広げていきたいとのことなので、作品が公開されている今のうちにチェックしておきましょう。 See More Details See More Details See More Details See More Details See More Details

ローカルでありグローバルであること-ミャンマー現代アートシーン-

ミャンマーにおける現代アートの流れ 近年ではArt Basel Hong Kongが「インサイト部門」を設け、アジアやアジア太平洋地域のアートシーンの紹介に努めているように、西欧のそれとは異なったアジア独特の土着的とも言うべきシーンの解明とプレゼンスに注目が集まっています。 ミャンマーのアート、特にローカルな民族絵画や民芸のそれとは一線を画したコンテンポラリーのアートシーンを見るためには、逆説的もしくは皮肉的にも、ミャンマーの土着的な文化とその社会的なヒストリーを無視することは出来ません。 1948年にイギリスの植民地支配から独立したミャンマーでは不安定ながらも民主主義と文化教育のスキームが構築されましたが、一方では少数民族問題や政治的な内部対立による政治基盤の不安定性から1962年にクーデターが勃発し、それに伴う軍政は1988年の民主化運動まで長期に渡って継続しました。 軍政下における美術活動の制約はアートの国内における認知と市民権の獲得に逆風として影響をもたらしましたが、民主化運動に伴い、1979年に現代アートの運動が誕生することになります。 現在のヤンゴン大学にて自主的な美術研究に勤しんでいた約20名の学生らによって結成された「ガンゴー・ヴィレッジ」は、ミャンマーにおいて展開された最初の現代美術運動であり、当時は西欧の抽象表現主義を独自解釈した作品をメインに生育された、つまり西欧のアートシーンとの接続を最初に築いた運動でもあります。 とはいえ軍政の影響が消え去らないミャンマーにおいてアートコミュニティは厚遇されることはなく、その後もままならない成長をしながらも、90年代に入ると学生らを中心とした流れは大学の外部に発表と活動を求め、90年には「モダン・アート90」に、2000年に「ニュー・ゼロ・アートグループ」の結成に結びつき、グローバルをその舞台とするアーティストの輩出を支えました。 ミャンマーのアートシーンをグローバルに-River galleryの試み- ギャラリーの詳細はこちらから River Galleryは今年で14年目を迎える、これまで国際舞台をメインのフィールドとして活動を広げてきた現代アートのギャラリー。 40名以上のアーティストが参加するRiverは、検閲体制の残る時代から、如何にしてアーティストを国外のコレクターをはじめグローバルなシーンへ受容させるかを試行錯誤してきました。 アーティストは西欧のコンテキストに耐え得る要素を保持しつつ、一方ではミャンマーのアートであることを証明する土着性や時代性、そしてミャンマーという国の歴史性を背景にした作品をプレゼンスすることが出来、その意味ではブラックボックスと化しているアジアのアートシーンとヒストリーの多くを明らかにする力を持っていると言えるでしょう。 TRiCERAでは今回、River Galleryに所属するアーティストから10名を紹介しますが、例えば〈僧侶の記憶シリーズ〉を手がけるペインターであるダウェイ・トゥートゥー(Dawei Tu Tu, 1972〜)は、「ミャンマーの生活背景としての仏教、そして僧侶の存在をほのめかしたかった」と語るようにミャンマーにおいて広く支持を集める仏教的な物事の捉え方や存在のあり方を俯瞰し、色彩的な重層化のテクニックによって絵画化し、ミャンマーの文化のいったんを展望させます。 作品の詳細はこちらから 一方でミャンマーの絵画史に流れる抽象性を汲み取り、新しいアングルをもたらすター・ジー(Thar Gyi, 1966〜)は、自らの作品を「非絵画」と形容します。ミャンマーの寺院街を訪れた時に見た田園風景に着想を得た彼は、国内の絵画において徴用されてきた内的なリズムの表現に「畝」のような造形性を加えることによって直接性を持たない、しかしミャンマーの美術そして抽象絵画の歴史における特殊なポジショニングを獲得しています。 作品の詳細はこちらから 今回TRiCERAでは、このようなミャンマー国内のアートの流れと西欧のアートシーンとの特異点であるかのような作品をもたらすアーティストを支えるRiver Galleryから絵画を中心に49点を紹介します。エスニックでありながら普遍性を備えるミャンマーアートの試みと歴史の歩みを、是非ともお楽しみ下さい。 ダウェイ・トゥートゥー(Dawei Tu Tu, 1972〜)ミャンマー出身のトゥートゥーは、これまで97年からミャンマー国内の展示に参加し、イギリスやシンガポールなど国外を舞台に活動してきました。ミャンマー・アジアン・アート・アワードでは2007年から3年間連続でベスト・ペインティング・オブ・ザ・イヤーを受賞した彼の作品は、近年では〈僧侶の記憶〉と題したごく限定された色彩を使用した明暗のコントラストをはっきりさせた絵画によって「ミャンマーにおける精神生活のバックグラウンド」を示唆しています。 作品の詳細はこちらから キョウ・リン(Kyaw Lin, 1975〜)オーストラリアやパリ、香港など幅広い地域で活動するリンは、フラットで抑揚のきいた色彩によるブロックを、ミャンマーの風景をベースに構造化する作品で知られています。とはいえそれは風景画のように物質的な対象への明示をさけ、あくまでも日常的な生活における感情や自然の機微を表現し、鑑賞する人へその発見を促します。 作品の詳細はこちらから ター・ジー(Thar Gyi, 1966〜)「非絵画」をキーワードにするジーは、ミャンマーの田園風景に見出される畝の造形性を絵画に盛り込み、ドメスティックな抽象絵画の歴史に新しいアングルをもたらします。ミャンマーにおいて絵画はいかなる展開をしていたかについて、彼はジェスチャーのようにそれとなく言及し、ビジュアルアーツの精髄と絵画的なアカデミズムを一度に実現します。 作品の詳細はこちらから

Don't Miss

漫画はアートとしてどう流通するか?集英社によるマンガアート「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」が始動。

岡本 評価いただき、ありがとうございます。でも「アートマーケット」の中で、既存のジャンルとバッティングするようなことにはしたくないとも考えています。絵画にしろ、彫刻にしろ、アートにも様々なジャンルがあると思うんですけど、市場の中でそれらと競合し、シェアを奪うようなことはしたくない。「したくない」と言うより、面白くないと思うんですよね。 むしろ、他のジャンルとコラボレーションする。工芸の作家さんとコラボレーションして、漆塗りの額縁をいっしょに作ってもらうとか。アート作品として、しかも日本のクリエーションとして海外にプレゼンテーションしていくと考えた時、そういう他のジャンルと協力することが重要になって来るとは思いますね。 井口 漫画をアートのジャンルに広げながら、既存のアートとの共生というか、新しい価値を生み出していく。 岡本 そう、そこが面白いと思うんです。これまでもポスターとか、例えば複製画とかはあった。でもアートとしてのクオリティを担保させた、つまりアートワークとしてコミックスを展開させる発想はどこにもなかったわけですよね。もちろん集英社としても初めての試みだし、業界にとっても新しいことだとは思うんです。 井口 今「アートとして」と仰いましたけど、その点で言うと、僕なんかはブロックチェーンによる証明書の発行は面白いと言うか、ある種の核心をついていると思います。アートに携わっている者の業と言いますか(笑)、ブロックチェーンや証明書と聞くと流通のあり方や価値形成や担保について考えているだろうな、とは想像がつくんです。というのも、今回はマルチプルな作品として展開させると思うんですが、そうなった時にはエディション管理の話は必須になってくる。 岡本 そうですね。そもそも、このプロジェクトに可能性を感じたきっかけもまさにそれで。今回はとにかく「複製品を売っている」と捉えられることは避けたかった。そうするとエディション管理とか、流通のさせ方にも工夫というか、アート作品として市場に流れていくロジックが必要だったんですよね。スタートバーンのブロックチェーンシステムはそういう意味では一つの大きなきっかけでしたね。 井口 今のお話にポイントがあったと思うんですが、その「アートとして流通させる」という点はすごく重要で、僕は現代アートとはジャンルというよりは一つの仕組みだと思っているんですね。けれど、そう考えた時、先ほどの話の繰り返しになりますけど、やはり版画や写真のような再制作が可能な作品の流通ではエディション管理、もっと言えば市場での価値の管理がすごく重要になる。 岡本 おっしゃるとおりだと思います。 井口 むしろそこさえクリアできれば、なんと言いますか、土壌は出来ていると思うんです。今の現代アートではKAWSをはじめ、もともとは外の世界にいた人たちが受容されていく傾向がある。ストリートアートやポップアート、あるいはイラストレーションが一つのジャンルになったわけですよね。言い過ぎかもしれませんが、そこに漫画という新しいジャンルが入ってくる下地はあるんじゃないのかな、と。こんなこと言うと、また方々から「言い過ぎだ」とかお叱りを受けるかもしれませんが(笑)。 岡本 いや、でも言っていることは分かります。でも、だからこそいかに丁寧に価値をつくっていくか、というところは重要になる。梱包一つとってもそうだし、配送もそう、もちろん証明書の話だってそうですよね。 井口 フランスでは漫画は九番目のアートとも言われているし(笑)。でも今お話になっている通り、現代アートは仕組みの世界で、そこにはルールがある。その「お作法」と言いますか、商慣習のようなものをおさえている点がストイックだし、このプロジェクトが本気なのだなと感じます。 岡本 ただその文脈で話をすると、一方では現代アートというか、ファインアートの中枢みたいなところとのバッティングは避けたい。あくまでも漫画というバックグラウンドは意識するし、ファインアートにも既存のやり方や作法がある。そこへ無理に合わせようとするとよくないんじゃないか、と。もちろん全く無視はしないし、だからこそブロックチェーン証明書の話もあるんですが…。もっと広い意味でのアートとして定着させたいし、それ独自の文脈や価値を考えていく必要があると思っています。 井口 なるほど。あと価値の点で言うと、これは個人的な意見ですけど、価値って感じ取るもので、それは共通の価値つまり認識が生まれることで大きくなっていくと思うんですね。その共通の価値が大きくなって総体的な価値が生まれる。マンガアートがどうやってアートとしての価値を生み出していくのか、この点はすごく可能性があるし、興味があります。 漫画の継承の方法としての「マンガアート」 井口 核心と言うか、少し突っ込んだ話ですが、この「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」と複製品の最大の違いはどこにあると考えてますか? 岡本 一番はリサーチと修復ですね。実は漫画の原画というのは退色や劣化がものすごく早いんです。油絵などよりもずっと脆弱です。というのも、週刊や月刊連載をベースにしている漫画の原画は、その制作速度に適応するために乾きやすい染料系のインクを使うことが多いんですね。この画材があって漫画の表現が豊かになっているんですが、一方でこうしたインクは退色や変色が早いんです。あとは写植を貼る接着剤など、紙を傷める要素がいっぱいある。 井口 そうか、印刷を前提にするから原画を長持ちさせるという発想はないんですね。 岡本 そう、まさに。アーカイブの専門家からすると「100年は保たない」という話もあると聞きます。きちんとした設備状況で保存しても、です。漫画の原画は、どれもくまなく、現在進行形で劣化に向かってるわけですよ。だから今回の作品化する際にも、元の状態がどうだったかというのをリサーチし、修復しながら制作するんですね。 井口 単純にプリントしているとか、そういう話じゃないですね。 岡本 そうなんです。それに漫画と違い、原画を縮小ではなく拡大している。だから撮影からプリントまできちんと行わないと鑑賞に耐えられないものになる。制作から流通まで、全て細かいコントロールをきかせながらするわけですけど、そうなると単純に複製品をやってます、とは言えない。 井口 アートにすることで残していく。 岡本 絵として残すことで、つまりコミックスの状態とは違う体験を与えるものとしてね。今は紙の原画がオークションで高値で落札された話も聞きますけど、そもそも原画の保存が間に合っていない。デジタルアーカイブはしているけど、大元の紙については劣化が進むばかりなんです。だからこそこのプロジェクトでお金が生まれれば原画の保管の研究にも回せるし、もちろん作家さんへの還元もできる。 井口 漫画家の新しい活動領域を生み出せますよね。 岡本 まさにそうで、やはりコミックスの世界も段々と厳しくなっている現状はあって。原稿料や印税だけで生計を立てるのは難しい作家さんでも、自分が描いた絵をアートとして活用できれば違った可能性も見えて来るかもしれない。将来的には新人漫画家さんの絵も作品化していきたいとは考えてますね。 井口 そう考えると、「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」の目指すところはだいぶクリアですよね。漫画の継承、漫画作家の新しい可能性。 岡本 漫画は、やはりどうしたって日本の重要な産業でもあるし、文化でもある。それを時代に適応しながら継承していく方法については考えなくてはならないし、これまで漫画を世の中に送り出していきた集英社だからこそ真剣にならなきゃいけない問題だとは思っています。アートとしての漫画が成立するのか、それをこれから丁寧に、そしてもちろん挑戦的に積み重ねていきたいですね。 岡本 正史 | Masashi Okamoto 「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」事業責任者・ディレクター。東京芸術大学美術学部卒業後、株式会社集英社入社。女性誌~女性誌ポータルサイトを 経て、マンガ制作のデジタル化に参加。集英社刊行の主要コミックスをアーカイヴしデー タベース運用する「Comics Digital Archives」を企画・実現。「少年ジャンプ」等マン ガ誌の制作環境のデジタル化を行う。デジタル事業部に異動後「Manga Factory」 「SSDB(集英社総合データベース)」を立ち上げ。 井口 泰 | Tai Iguchi 株式会社TRiCERA 代表取締役/Founder。一般社団法人日本アートテック協会(JAAT)理事大学卒業後、老舗音響機器製造業に入社、アジアパシフィック統括本部にてキャリアをスタートする。シーメンス株式会社に転職、医療機器の受発注に従事、プロジェクトリードとしてシステム導入に尽力。2015年株式会社ナイキジャパンに入社し2017年には日本の直営店舗サプライチェーンを統括するマネージャーとなり、グローバルプロジェクトに参画、日本国内においても複数の新規プロジェクトを立ち上げ実行する。2018年11月1日、株式会社TRiCERAを設立する。 サイトURLhttps://mangaart.jp/  

Yutaka Kikutake Galleryでの展覧会レビュー「爪が欲しくて」展

Installation View, Nerhol ‘For want of a nail’, 2019 ©️Nerhol Photo: Shintaro Yamanaka (Qsyum!) Courtesy of Yutaka Kikutake Gallery 6月6日から7月13日まで、Yutaka Kikutakeギャラリーでは、アーティスト・デュオ「ネルホール」の作品展「爪が欲しくて」を開催します。 ネルホールは、日本の若手アーティストYoshihisa Tanaka and Ryuta...

アルテ・ポーヴェラの提唱者が逝去

美術館の閉鎖や展覧会の中止や延期など暗いニュースが続いているが、そこに畳み掛けるような時報が、つい先日入った。伝説的な批評家でキュレーター ジェルマーノ・チェラーノ/Germano Celant(1940-2020)の訃報だ。 Celantは1940年イタリア出身。ジェノバ大学で美術史を学んだ後に編集職としてキャリアをスタートさせ、その後1967年に「Im Spazio」を開催、同展によって「アルテ・ポーヴェラ」を提唱し、一躍アートワールドの要注目人物となった。 イタリア語で「貧しい芸術」を意味する「アルテ・ポーヴェラ」の運動は、新聞紙やロープなど日常的かつ粗末な素材を用いた作品を提示したが、チェラーノの功績は、これによってイタリアのミニマリズムほかその時代の若手作家の動向を世界に知らしめた点に一端がある。 この他グッゲンハイム美術館やヴェネチア・ビエンナーレでのキュレーションによって世界的なキュレーターの一人に数えられる彼の訃報は、通例ならば、その後に功績の顕彰が展示という形でなされただろうが、しかしそうもいかないところが、現況の辛い点だろう。心よりご冥福をお祈りする。

タケダヒロキ: 鮮やかな水彩画の動物たちの世界に生息する

水彩絵の具の美しさに惚れ込んで、それ以来、自分にしか作れない色に挑戦しています。 鮮やかな色彩と植物のモチーフを組み合わせ、動物のリアルなポートレートを描く独自のスタイルを確立した、日本発の新進水彩画家・タケダヒロキ。今回は、彼の作品の原点、独自のスタイルを確立した経緯、そして水彩画の魅力についてお話を伺いました。このインタビューは、わかりやすくするために軽く編集しています。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110006" 水彩画と植物と動物の融合 アーティストとしての道を見つける 鮮やかな色の融合 タケダヒロキのアートをどこで買うか 水彩画と植物と動物の融合 …私のアートは、動物、花、植物を組み合わせて、リアルでありながら魅力的な描写をするという点でユニークです。 作品のコンセプトを説明してください。どのような世界を表現しようとしているのか? 水彩絵の具の美しさに惚れ込み、自分にしか作れない色を目指して以来、水彩絵の具、植物のモチーフ、動物の3つが作品を統一しています。 水彩画の美しさを発見 私が水彩画に興味を持ったのは、大学在学中にイラストレーターのGoro Sasakiの授業を受けたのがきっかけです。それまで水彩画といえば、柔らかい色を重ねて描くことしか知らなかったのですが、Sasakiの画風を知って衝撃を受けました。それまでの水彩画といえば柔らかい色を重ねることしか知らなかったのですが、Sasakiの強く鮮やかな色使いの画風に衝撃を受けました。 植物を愛する気持ち 花や植物をモチーフにしたアートを描くようになったきっかけは、大学生の時にアルバイトをしていた風刺画のアルバイト先で、花柄のドレスを着た女性を見たことです。また、母が昔から植物を育てるのが好きだったので、植物に囲まれて育ったことも理由の一つかもしれません。 動物を通してビジョンを表現する 卒業後、流行りの「かっこいい」アートスタイルなど、様々なアートスタイルを実験しましたが、家族からは「このスタイルは私の性格に合わない」と言われました。自分のアートスタイルを探すことに多くの時間を費やしました。ある日、動物の絵を見て、その毛皮が植物のように見える瞬間が頭に浮かんだんです。 水彩画と植物と動物を組み合わせて描くというアイデアは、私にとってとても自然なことだと感じました。もちろん、他のアーティストは単純に可愛らしいという目的で動物の絵を描いていますが、私のアートは、動物や花や植物を組み合わせて、リアルでありながらも魅力的な描写をしているところがユニークだと思います。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110007" あなたの芸術の旅の中で、深く影響を受けたアーティストや作品はありますか? 先ほども言いましたが、最初に水彩画に興味を持ったのは佐々木五郎さんですが、一番影響を受けたのはTakeshi Ohgushiです。Ohgushiとの出会いは、今のアートスタイルに落ち着いた直後の「寺子屋」というプロジェクトでした。寺子屋とは、Ohgushiと大手広告代理店が主催する、日本のイラストレーターやデザイナーを支援するための非営利のアートプロジェクト/コンテストです。Ohgushiは私と私のアートスタイルを受け入れてくれたので、大きな自信になりました。私はOhgushiをとても尊敬していますし、私の師匠として見ています。描かれていないアウトラインを残す手法を用いていることもあり、大きな影響を受けました。 アーティストとしての道を見つける Goro Sasakiと出会って以来、水彩絵の具を使い、アーティストとしての人生を捧げてきました。 美術の仕事はどのようにして始めたのですか? 子供の頃、日本の漫画シリーズドラゴンボールが好きでした。イラストの描き方に驚愕しました。漫画のコマを何度もなぞるのが好きでしたが、色を塗りたくって薄いトレーシングペーパーを使ったことはありませんでした。中学生になってからは、自分だけのオリジナル漫画に挑戦し、漫画家になることも考えました。 漫画家という仕事の大変さに気づくのに時間はかかりませんでしたし、学業成績は良くなかったのですが、自分には絵の才能があることはわかっていました。それがきっかけで、高校でデザインの授業を受け、美大に進学しました。Goro Sasakiと出会って以来、水彩画を描き続け、アーティストとしての人生を歩んでいます。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110002" アート以外で影響を受けたものは? ドラゴンボールやワンピースなど、日本の漫画やコミックが好きです。登場人物の動きや空気感の描写が好きで、その場の空気感を「匂い」で感じられるような、より生き生きとした作品にしたいと思うようになりました。また、映画を見るのが好きなので、映画と同じように人の心を動かすような作品を作りたいと思うようになりました。 作品には温かみや親しみやすさがあるように感じますが、何かメッセージを伝えようとしているのでしょうか?見る人に何かメッセージを伝えようとしているのでしょうか? 作品に込めた一般的なメッセージはないのですが、私のアートは見る人をリラックスさせるものであってほしいです。何も考えずに気軽に楽しんでもらえるような作品にしたいです。 鮮やかな色の融合 その過程で、植物や蝶などの楽しいモチーフを思いつくままに入れて、見ている人が楽しく発見できるようにしています。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110001" 水彩画があなたにとって特別なものである理由を教えてください。 私は、絵の具が乾いた後の色がどのように見えるのか、また、それらの色がどのようにお互いにシームレスに溶け込むのか、という未知の部分に興味があります。私の作品はキャンバスの多くが空白になってしまうので、描きたいディテールのバランスを考えながら制作しています。 作品はとても細かく描かれていますが、最初の下書きは鉛筆で大まかな輪郭を描いただけです。作品のモチーフはどのように決めているのですか? まずは大まかな概要を描くことから始めます。モチーフの参考画像を見ながら時間をかけて構成し、頭の中で細かい部分を練り上げていきます。自分に言い聞かせて根気よく描き、思いついたら絵の具が完全に乾かないうちに仕上げていきます。その過程で、植物や蝶などの楽しいモチーフを適宜入れて、見ている人に発見を楽しんでもらえるようにしています。 https://www.youtube.com/watch?v=dK3fJL9r0t4&t=2s 創作の中で一番難しいのは何ですか? 絵の具を薄めるために入れる水の量を調整しています。これはあくまでも私の経験と感覚に基づくものです。一番難しいのは、水と絵の具のベストバランスを見つけることです。また、絵を描いていると、細かいところに気を取られてしまい、ついついたくさんの絵を描きすぎてしまうこともあります。時々、作品から離れて、しばらくしてから戻ってきて、新鮮な視点で作品を見ることもあります。 また、様々な植物を研究し、動物のシルエットの中に遊び心のある自然の風景を作ることで、アートに新しい要素を加え続けるようにしています。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110004" あなたの作風に沿った水彩画の動きはありますか? 自分のスタイルを完成させたいと思っているので、芸術的な流行や伝統にはあまりこだわらない。鮮やかな色を強くブレンドして、自分の作品を際立たせたいと思っています。 今後、自分のスタイルはどのように進化していくのでしょうか? 日本の要素をミックスしたアートを作りたいと思っています。例えば、サンゴ礁をモチーフにした盆栽のアートを制作しています。動物だけではなく、見ている人の心を和ませるカラフルなアートを作り続けていきたいと思っています。 <a href="https://www.tricera.net/painting/id81000110008" タケダヒロキのアートをどこで買うか TRiCERAでは、タケダヒロキのカラフルな水彩画による動物の肖像画を、日本のアート作品の中に数多く掲載しています。ぜひ、TRiCERAでタケダヒロキの作品をご覧になって、あなたの生活を日本の現代アートで満たしてみてください。

Feature Post

A.C.D – 色のメタモルフォーゼ

A.C.Dは、色や形を用いて絵画に視覚的な物語性を持たせることを探求しています。2019年よりアーティストとしての活動を開始し、アメリカでの展覧会や東京でのシンワオークションに参加するなど精力的な活動を展開しています。 フランス生まれ、現在はアメリカ在住。カリフォルニア大学デービス校で英文学の学士号を取得して卒業後、ニューヨークでファッションデザインを学び始める。ファッションデザインだけでなく、Cal Artsではタイポグラフィー、ロゴの歴史、文字などを学ぶ。蝶々を見たことがきっかけで、絵を描くことに興味を持つようになり、正式にアートの世界に足を踏み入れることになる。 A.C.D.の作品の特徴は、色ときれいな線のストロークです。彼女自身、四色の視覚を持っているので、他の人は一色しか見えないのに、オンバー、モーヴ、異なる色がそれぞれの色に融合して見えるのです。色相と彩度をコントロールするために、彼女は同時に色を塗り、混ぜています。彼女のユニークなビジョンが、彼女の絵画に使われている美しい色を生み出しています。 See More Of Artworks By A.C.D

韓国最大級の国際アートフェア「KIAF SEOUL 2019」

第18回韓国国際アートフェア開催 9月26日から29日まで韓国のソウルで、韓国で最も有名なアートフェアの一つであるKIAF(Korea International Art Fair)が開催されました。 今年はKIAFの18thとして、17カ国から175のギャラリーが参加した。当局によると、約8万2千人が訪れ、売上高は310億ウォンを記録した。昨年より30%以上増えた。現場では売上高の高さを直接感じることは難しいが、一般の来場者が大幅に増えたようだ。特に若年層では。これは、現代アートがヒップスター文化の一部になったことが要因と思われる。若い世代は現代アートを好む傾向がある。彼らは、自分が最近楽しんでいるものや自分の好みを見せるのが好きなのです。来場者数が全体の売上にどの程度影響を与えているかは不明だが、ある程度の影響はあるようだ。 ソウルの有名なアートフェアの一つであるKIAF ART SEOUL 2019は、参加ギャラリーを通じた現代美術作品だけでなく、ソロプロジェクト、ハイライトセクション、話題性のある問題に関する様々なトークプログラム、特別展などを提供しました。今年のためにKIAFは「歴史の中のロマン主義-韓国モダニズム絵画展」と題した特別展を準備し、韓国の現代アーティストに光を当てました。 今回のプロジェクトの目的は、フェアの構成の多様性を図ることにあるように思われる。しかし、イ・ウファン、ユ・ヨングク、ナムジュンパイクなど、現代美術を代表する作家を紹介するギャラリーが多く、ギャラリーブースとプロジェクトの間に大きな差をつけることはできなかった。 しかし、韓国の現代美術にこだわるギャラリーの中には、若くて新鮮な作家を紹介したり、実験的な作品を発表したりする優れたギャラリーもありました。これらのギャラリーが目立っていることを証明するかのように、多くの作品の下には赤いシールが貼られていた。これは、現代美術の一流作家が売れることにつながる確実性がなくなってきたことの裏付けではないだろうか。 参加ギャラリー 参加ギャラリー 韓国を代表するアートフェアであるKIAFには、多くの国際的なギャラリーが参加しています。昨年に続き2回目の参加となるPACEギャラリー、今年は初めての参加となるLehmann Maupinも参加しました。また、アジア市場に特化したホワイトストーンギャラリーも参加しています。 多くの国際的なギャラリーが参加するようになったことで、KIAFはさらに発展する可能性を秘めています。挑戦的な作品は市場性がないという意味ではなく、実験的な作品が増えることを期待しています。タイトルだけで満足するのではなく、韓国最大規模の有名なアートフェアです。 記事を書いた人:Jeongeun Jo韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。彼女自身もアーティストとして活動している。 

日米を代表するアーティストが東京でデュオ展を開催

国際的に活躍するアーティスト、Yuko MohriとDavid Horvitzのデュオ展「夏の雨」がSCAI THE BATHHOUSEにて開催されます。 SCAI THE BATHHOUSEで初のデュオ展を開催するYuko MohriとDavid Horvitz。二人はパリで会話を交わし、夏の雨には様々な顔があることを語り合いました。このような雨についての議論の機会を得た後、二人は水と雨の研究に焦点を当てます。夏の雨には雨、雷雨、七夕の雨など様々な顔があるのではないかとのことです。その結果、「夏の雨」というタイトルで作品を発表することになりました。 Yuko Mohriのメインテーマの一つに水漏れがあります。特に東京メトロの駅構内の水漏れは頻繁に発生しているが、ほとんどの人が通り過ぎるだけである。「夏の雨」では、「モレ・モレ(水漏れ)」など、初期のキャリアの中でのインスピレーションの源となった作品も発表しています。と「モレモレ(漏れ)。東京」です。Mohriは、アートの一形態として、エネルギーの回路を考案し、インスタレーション作品の中で自分の装置が再生されるようにしています。Mohriはアートの一形態として、エネルギーの回路を工夫し、装置が自分自身で再生するようなインスタレーション作品を制作しています。Mohriはパリ滞在中にも水漏れ事件を起こしています。"The Water Fall Given"はその作品です。 Mohriとともに、アメリカのDavid Horvitzが 主に時間や距離などの概念を巧みに操り、ウィットに富んだ詩的でコンセプチュアルなアートに変換していく彼の作品は、「夏の雨」というテーマでも発表されています。本展の作品の中でも特に「切手」は、「夏の雨」をテーマにした作品の中でも特に目を引く作品です。 人々の目を楽しませてくれます。雨や川、海など様々な水の状態を表現したスタンプや、「あなた」を表現したスタンプを紙に貼って、観客が自分のための詩を作れるようにします。 Mohriが人間が利用する空間であるアーティファクトの中で起こる自然現象のサイクルに着目しているとすれば、Horvitzは水と海と人間との関係性とその意味を見出すことに着目しています。"When the ocean sounds"は、人間の血液と海水の成分の類似性について書いた海洋生物学者レイチェル・カーソンのアイデアに触発された作品です。人間と水の間に比喩的な関係をもたらすための彼の別の試みは、彼の作品"スタンプ"にも見ることができます。Mohriが管理された環境下で水を研究しているのに対し、水はオープンな環境の中で発見されたものであり、水、雨、現象と人間に対する彼らの微妙に異なるアプローチが本展の面白いところである。展覧会自体はもちろんですが、Yuko MohriとDavid Horvitzという世界的な二人のアーティストが一緒に作品を発表するという点では、今東京で起きている現代アートシーンの中でも注目すべき展覧会だと思います。 会期は2019年7月19日から9月7日まで、夏休みの締めくくりは2019年8月4日から19日までです。SCAI THE BATHHOUSE https://www.scaithebathhouse.com/en/ 記事を書いた人:Jeongeun Jo韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。アーティストとしても活動しています。

不確実な時代にとってのアートの意義を追求する。アーティスト本橋孝祐インタビュー

1989年兵庫県出身の本橋孝祐は、これまで美術を「ひとにとって一つの確認の儀式」として人類特有の営みと位置付けて制作を行ってきた。ペインティングや立体、インスタレーションなど様々なアプローチを取りながらも、そこには一貫して作品と鑑賞者のリレーショナルな意味性を探求する視点を根底に持ち続け、独自の視覚言語を提示してきた本橋にとって制作することの意義、これまでの歩みについて話を聞いた。 本橋孝祐 本橋さんは「死」や「生」などをテーマの一つにした作品を制作されていますが、アートを始めたきっかけから伺ってもいいですか?-アーティストとして活動し始めたのは2013年頃からです。自分は独学で描いていますが「アーティストとして作品をつくる」と初めてキャンバスを買ったのが2013年、それから2年後に1回目の個展をしました。活動のきっかけは、幼い頃の阪神淡路大震災や自分自身の事故など「死」に関連した体験を重ねたことだと思います。例えば誰しも「あなたは明日死にます」と言われたら自分の財産や知識を人に残そうとすると思うのですが、同じように自分の中にあるエネルギーを誰かに残したくなりました。それがアーティスト活動の始まりです。例えるならUSBドライブのように、エネルギーを自分の外に出して、誰かに繋げたかったんだと思います。 《無碍》2020, オイル・キャンバス , 1,167×727mm 方法としては文章とか歌とかあると思うんですが、どうしてアートを?-そこは難しいですね(笑)。昔から絵を描くことが好きだったからだと思います。 絵以外では何に興味があったんですか?-社会心理学や精神分析、あとは国際援助などに興味がありました。大学では心理学を勉強していて、大学を出たら国連で働こうと思っていた時期もありました。心理学に興味を持ったのは中学生の頃。家族が精神疾患を患って、そのときにひとの幸不幸がものの見方に左右されるんだなって。だったら心理学を勉強すれば人を幸せにできるんじゃないかと考えたのが理由です。多分、小さい頃から人に共感しがちで、自分と他人や世の中との境界線が曖昧というか。だから自分と他人両方セットで幸せになりたいみたいな。学生の頃には同年代の人のカウンセリングをしたり、学生サロンみたいなものにも呼ばれて「愛とは何か」みたいな話もしていた頃もありました(笑)。でも考えていくとそれってビジネスじゃないよなと思って。生業にするイメージは持てませんでした。 そこからアートの方へ?-ネガティブな要素もポジティブな要素もありますが、前者でいえば普通に働くことには向いてなかったのだと思います。自分の納得していないルールを守ることが出来ないし、じゃあ自分の生まれてきた意味や、自分が神様で「本橋孝祐」という人間を最大限に有効活用するにはどうすれは良いかなど考えた時、自分が一番没頭できて、意味があると信じられることをしよう、ということでアートに。 《Universal Composition》2020, アクリル・キャンバス , 1,620×1,303, Installation view at elephantSTUDIO 作品制作をする中で感じること、発見することはありましたか?-「アート=自己表現」だと思っていましたが、やっていく中でその感覚は変わっていきました。ルイス・カーンという優れた建築家が「芸術の最も美しい部分は作者個人に所属しない」と言っているのですが、それにとても共感していて、自分というより、自分の手を通して世の中や人間が絵を描いてるという感覚が強くなってきています。今は鑑賞する人が信じられるというか、ある種、心の拠り所になるような作品をつくりたいと思っています。今の時代、特に東京は、変化の速度がものすごいですよね。世の中の様子や価値観がコロコロ変わる。そうやって加速すればするほど、普遍的なものが人間の心の拠り所として必要なんじゃないかなと思っています。もちろん僕自身にとっても。だから普遍的な作品を作りたいと思っています。 制作を始めた頃は「これじゃないな」と納得できない作品ばかり描いていました。どれも素直じゃないというか、説得力を持たない。翌朝見て「駄作だな」と思ってしまう。説得力を持たない作品は、きっと嘘ついてるからなんだと思います。実は結構色んなことを気にしてしまう方で、自分の年齢や周りの人間との社会的な関係、自分が生きている時代のことや性別など。それを忘れて描いてみようと腹を括った時にはいい作品ができました。「何年後経ってもこれは真実だと思えるな」と自分の腹に落ちる作品が。 人生そのものをテーマにした作品が多いですが、それは「普遍的なものをつくりたい」という気持ちから?-そうですね、それはあるかもしれません。普遍性や、真実性が大切だと思っています作品を買った人は毎日見ることになるし、その作品に嘘があったら嫌だと思う。アートは鑑賞する人のパースペクティブというか、ものの見方を提供する側面があります。「今すぐ死んだ方がいいですよ」というメッセージを込めた絵があったら、見る人はそれを否応なしに受け止めてしまいます。真実味がないものをやると世の中に対して害でしかないと自分は思っていて、信じても差し支えないもの、受け入れることで現実と調和するようなものを作品にしたいと思っています。 《光の地蔵(orange,blue,green,purple)》2020, アクリル・木材 , 1,300×450mm その中でも生や死にまつわる作品が多いですよね。-多分、そこに関する問題が一番切実だからだと思います。今年なんか特にそうですが、地球全体が2020年ほど「死」に対して意識的になったことってないんじゃないでしょうか。自分の知人のパートナーも亡くなったんですが、世の中的にも身近な人が亡くなったり、自分の命が危ぶまれる怖さを感じたり、それはなんとなく社会全体で共通している感覚だと思います。パソコンのディスプレイやテレビの向こうで悲惨なニュースがずっと流れていて、でも世間としてはそれを経済やライフスタイルの問題として取り扱うわけですが、みんな心の底では「誰かが死んでしまった」という思いを消化しきれずにいるんじゃないか。そういう空気感があったのが2020年なのかなって。それに対して、つまり死んだ人はどこに行くのか、死をどう受け入れるべきなのかという問いって宗教の問題ですが、現代の生活では個々人が一人でどう解釈するかっていう事に全て委ねられている気がしていて。アーティストとして生死の分断にどう取り組むべきかと。今度個展をするんですが、そこでは「生きている自分たち」にフォーカスしようと思っています。岡本太郎は「芸術とは生きることだ」って言っているけど、そもそも生きていることって一つの特権で。だから個展では身体性の強い作品というか、生命を謳歌することをテーマにした作品と、もう一方で「死んだ人はどこに行ったんだろう」という素朴な疑問を扱おうと考えています。 《Bloom》2020, オイル・木 , 1,303×894mm 制作を続ける中でモチベーションになる目標などはありますか?自分の手も何かを感じる心も、全部つくるためにある気がしています。だからある意味制作は、与えられた身体や命に対する敬意で、ちゃんと使っていきたいです。あとはおこがましいかもしれませんが、単純に自分の関わる人を出来るだけ幸せしたいし、出来るだけ多くの人に関わっていきたいと思っています。 本橋孝祐の作品はこちらから

Editor's Choice