金曜日, 6月 18, 2021
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スカルにみる現代の「死」

 ”メメント・モリ”。ラテン語で「死を思え」「自分が死ぬということを忘れるな」を意味する警句である。

 時勢によってあらゆる解釈がなされてきたものの、我々人間に多くの示唆を与えてきた。そのメッセージはテキストだけでなく、時にはペインティングといった芸術の世界で表現された。

 その際、主役となったモチーフは直接的に死を想起させるスカルである。宗教画や歴史画に比べ、地位の低かった静物画はキリスト教的エッセンスを組みこむことで格を高めた。所謂、ヴァニタスである。それから、数百年経過した現在、現存のアーティストの単作品で最高額となるダミアン・ハーストによる立体《神の愛のために》も主題がメメント・モリである。当作品にもスカルは選ばれている。

 さて、死を彷彿とさせるための最上のモチーフは、”メメント・モリ”を忘れさった現代人に新たな示唆を与えているのか。本記事ではスカルを扱う作家を数名紹介しよう。

八田大輔/Daisuke Yatsuda

シュガースカル(C)
24 x 20 cm
シュガースカル(B)
24 x 20 cm
シュガースカル(Y)
24 x 20 cm

作家の詳細はこちらから

Yutaokuda

Skull
72.7 x 60.6 cm
Snakes Skull
46.5 x 39 cm
Birds Skull
46.5 x 39 cm

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鈴木潤/Jun Suzuki

Skull
29.7 x 21 cm
右手に剣を、左手に花を
42 x 29.7 cm
おやすみ
42 x 29.7 cm

作家の詳細はこちらから

Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

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ポケモンと似ている?−ペーパーアート・ストーリー Part3 完 –

解は、どちらも進化する、と。この記事は、ペーパーアートのシリーズの最終章(現時点で)であり、まずパート1&2をおさらいしてから、その進化について見るとしよう。あるいは、リンク先に飛んでみると更に面白いであろう。 パート1 - 我々が子供の頃には知っていて遊んでいたはずの紙が持つ魅力も、「大人になる」過程で忘れ、つまらない物体と変わってしまう。しかし、「紙はアートを内包するメディアムであるだけでなく、創造性の魔法を唱える素材そのものとなりうる」ことを教えてくれる紙作家らによってその魅力を再発見できる。 パート2- 4000年以上に及ぶ人間と紙との関係への追憶は、ペーパーレス時代になっても一夜にして消えるものではない。厚さ1ミリにも満たない紙は、その発展とともに信じられないほどの芸術性を宿してきた。紙は植物に由来し、生物学的なエネルギーを持つ。この有機的エネルギーこそが「芸術家と芸術を、芸術と私たちを結ぶ触媒として繋いでいる 」のだ。 今回は、ペーパーアートのまた違った一面が見るとしよう。その進化は、想像力を超えて成長するポケモンのように、我々を驚かせるやもしれぬ。しかし、アートを愛する私たちとしては「目指せ〇〇マスター!」と、つい興奮に背を押される。 進化タイプ1「ニョロボン」原点を忘れない おたまじゃくしのようなポケモン、ニョロモを捕まえたときは、緑色のカエルのような姿に進化すると確信していたものだ。しかし、最終形態であるニョロボンは青くて渦巻きを腹につけたままで、要するにオタマジャクシのままだった。同様にペーパーアートの中にも、その起源に強く忠実で、紙の原始的な存在感を声高にするものがある。オランダのグラフィックデザイナーであり、庭の設計士でもあるStuidoMieは、「PaperWork」と呼ばれるシリーズを制作している。その名の通りに、実質的に紙片と紙のみで作られる単純さにも関わらず、その見事な芸術性の進化は見る者を打ちのめす力がある。 抽象とミニマリズムのDNAから進化したと見える彼女の作品は、変貌の小さいニョロモ–ニョロボンの系譜に感じた「要素を徹底的に削ぎ落とした中にこそインパクトがあるのではないか」という問いかけを鑑賞者に残す。彼女の作品はアートの既成概念的な構造や美学にジャブを入れるようである。ミニマリスティック・アートの巨匠フランク・ステラは「目に見たものを見たままに(理解せよ)」と言うが、私は彼女の作品を庭の設計士的、自然環境的な側面から解釈せずにはいられない。(そして彼女の作品を見ているとなぜか、アメリカの前衛作曲家ジョン・ケージの音楽が耳に聞こえてくる。) もし一度でも迷路庭園に足を踏み入れたことがあれば、パターンを認識しようとしている間に、形や影に目が錯乱される事に気付いたであろう。また、植物を育てていると、その成長や天候の変化をいくら分析しても、予測できない事態に遭遇する。StudioMieの作品では、構造的に配置された紙片が生み出す不確かな影と、人工的迷路から自然森の中に迷い込む様な予測困難さを体験できる。彼女は、コロナウイルスのロックダウン中に「パターンやシステムが予期せず不安定になるとどうなるのだろうか?システムは回復するのか、変身するのか、それとも衰退するのか?」と自問し、それをPW024 / faltering patternのシンプルながら力強い作品に昇華させることに成功している。 進化タイプ2 「ギャラドス」 バリバリの肉体改造 2種類目は、無力に跳ね回るコイキングから空飛ぶ水竜、ギャラドスへの劇的なジャンプをみる様に、大村洋二朗の作品も、同じDNA(この場合は紙)からどうやって進化したのか頭をひねらされる。生命力に溢れる彼の作品だが、信じられないことに、彼の彫刻の才無くしてはただの紙切れなのだ。サイケデリックな色のトカゲは今にも獲物を捕らえんばかりの勢いで、六枚羽根のトンボは星散りばむ銀河へと舞い立つ。数々の賞を受賞した彼の想像力と技術によって、それらは驚異のペーパーアート変種へと成長を遂げた。 もちろん、古典的なキャタピーからバタフリーのような進化タイプもあるが、この広大で多種多様なアート界であなたのお気に入りを見つけて集める楽しさを、あえて奪いたくはない。自分なりの図鑑完成、〇〇マスターを是非目指して頂きたい所だ。 更なる楽しい発見のためにも、ArtClipニュースレターの購読をお忘れなく!

アーティスト紹介[親戚の仕事別]

身内と似たような職業に就いている人は珍しくありません。特にミュージシャンやスポーツ選手は統計的な相関関係があるほど顕著です。さすがに、芸術家を親に持つ人は非常に多く、親の仕事の影響力が 見られるケースも少なくありません。 しかし、親族が芸術家でなくても、間接的に創作に影響を与えることがあります。時にはモチーフやインスピレーションの源になることもあります。多くの場合、彼らは芸術家を志す人のための触媒になることができます。それほどまでに、近親者の職業は、アーティストの創造的なプロセスの重要な部分なのです。 今回は、これらの親族の職業と作品を並べて、その関係を探ってみたいと思います。 父:商社マン 神田さおり 神田が幼少の頃、父親の商社マンとしての仕事の関係で、バグダッド(イラク)やドバイ(UAE)で過ごす。異国の地で生活する中で、世界の美しさと日本の魅力に触れる。  彼女は自らを「ダンシング・ペインター」と称し、音楽の波を全身で感じて描くという考えのもとにアートパフォーマンスを行っている。身体そのものが絵画の一部となり、大きなスクリーンを横切って踊ります。作家がダイナミックに生み出す筆致は、生命体のような生命力を持っており、生まれては消えていく。そのサイクルは生態系のようなものです。  身体表現のある作品は、白髪一雄やジャクソン・ポロックのアクションペインティングの 系に繋がっていますが、照明、音楽、ダンス、お香、衣装、ヘアメイク、舞台美術などなど 空間を埋め尽くすパフォーマンスは独自のパフォーミングアートとして高く評価されており、世界遺産/沖縄中城跡にも登録されている。また、奈良の天河大弁財天社、岡山の吉備津彦神社をはじめ、台湾、上海、香港などで奉納舞踊公演を行っている。アメリカ、スイス、フランス、カザフスタン、インド、ミャンマー、フィリピンなど。日本にも招かれている。  世界中を旅し、そこに住む人々との出会いを吸収し、ダンサー、画家としての作品を精力的に発表していく彼女の姿は、国や人種の垣根を越えているが、その育ちは彼女の原体験と密接に関係していると推測できる。 神田が描いているその他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100114 父: 鍛冶屋 Hiroko Tokunaga  幼少期に「ものづくり」の一つである鍛冶屋が存在していたことが、Tokunagaの創作に対する独特の姿勢を 形にしていたようです。大学時代は油絵を専攻していましたが、「絵を描く」ことよりも「ものを作る」ことの方が 自分の表現の可能性を探った結果、アクリル板を削り出す方法を見つけたそうです。彼女が辿り着いたのはここまで。彼女の現在の作品は、現代的な「ハイ」な雰囲気を持っていますが、同時にそれはアート以上のものです。加えて、より根源的な行為である「ものづくり」を感じさせてくれます。  両親が鍛冶屋であることを知っているからかもしれないが、鍛冶屋とTokunagaの作品や創作物には共通点を感じずにはいられない。遠くから見た彼女の作品は、非常に現代的で端正でありながら、それと同じように非人情で冷たささえ感じる。それはまるで鍛冶屋が鍛えて完成させたばかりの鉄製品のようである。  しかし、切り取られた点や線は、近くで見るとまた違った表情を見せてくれます。驚くほどの繊細さを持ちながらも、人の技の痕跡を確信を持って見抜くことができる。これらの作品の温かさは、代々受け継がれてきた家業である鍛冶屋に内在する「ものづくり」の精神を反映しているように思えます。あります。点と線の「積み上げ」を見ることで、大学時代に経験した筆の「積み上げ」が、彼女の 芸術から「ものを作る」ことへの移行の感覚と、その移行によって獲得した点と線の「つながり」を 見る者はあらゆる感覚を「知覚」する。 Hiroko Tokunagaが描いているその他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100373 姉妹: アパレルビジネスマン Shimpei Ishikawa  Ishikawaの姉がファッション学生だったこともあり、思春期の頃はファッション雑誌が身近にあったという。雑誌のランウェイで見たモデルは、左右対称だったそうです。アーティスティックなモデルは、アーティストとしてのIshikawaの琴線に触れたのでしょう。その後、モデルのような姿がモチーフに登場するようになり、今でもIshikawaのモデルへの関心は高い。それは「感じて想像する」という彼の作品の基本につながっている。  モデルの顔や体を服で覆って、本来の人間の体とは違う形に変身させることが多い。されている。服を着るという人為的な行為によって、人形のように「作られた」パーツに変身する。しかし、ランウェイを歩くための足は、いわば「作られているか、作られていないか」の人間本来の姿の一部である。この二つの要素が共存することで、見る者の漠然としていながらも鮮明な「感じたり想像したりする」感覚が揺さぶられる。この二つの部分が共存することで、見る人の漠然としているが鮮明な「感じ方や想像力」の感覚を揺さぶる。作られた」部分があるからこそ、「作られた、あるいは知られていない」部分には、ある種の空白がある。 このようにして、模型を見る私たちは、想像力を働かせるように促される。  Ishikawaは全く同じことを作品の中で再現している。人為的に操作された作品の形態と、見る者の無意識のイメージが共存し、相互に作用している。行うことによって完成される彼の作品は、その性質上、創造のプロセスのようなものである。中に人がいることを前提に作品を制作し、鑑賞者の想像の余地を意図的に残している。手を握っている。鑑賞者は、手のある作品の「作られた」部分と、手のない作品の「作られた、あるいは知られていない」部分を意識的に意識している。作品との相互作用関係は、前後に縛られている。 それだけでなく、意識とは何かを再考させてくれるだろう。 Ishikawaにとって、積み木から人を彫るという行為と、服を着た人の構造は、作品の中では自然な要素である。それは結び目であり、私たちにとっては一見奇妙な行為である。しかし、「感じて創る」という精神的な機能は、私たちの日常生活の中に、ファッションモデルや 意外と潜んでいるのかもしれません。 Shimpei Ishikawaの他の作品はこちら https://www.tricera.net/artist/8100381

アートと食の甘いマリアージュ − 渡辺おさむの作品をめぐって

食への愛とは世界に不変の物であろう。 どうやらアメリカでは7月は料理月間であるらしい。様式は違えども料理は芸術であるし、両者とも私たちの生活を豊かにするという点は世界共通の認識だ。 海外では寿司やラーメンしか知られていないが、日本は食の伝統や文化が比類無いほど豊かな国である。また、レストランで見る「食品サンプル」のディスプレイは、よだれが垂れる程のリアルさとその珍発想で人気を博す。今回は、アートに食べ物(スイーツ)を取り入れた個性的な日本人作家の作品をお届けする。人前で愛を表現することが敬遠されている日本だが、食への愛については過剰な程に公にされていると見える。海外在住の筆者は、日本の友人らがインスタグラムで食べ物の写真をお披露目しているのを頻繁に見かける。自宅であろうがレストランであろうが関係ない。私としては彼らの胃袋事情には興味がなく、近況を知りたいだけなのだ。残念ながら、今さらフォロー解除はできないし、どうしたものか。 海外で大人気のデート相手を探すTinder系のアプリでも、日本では顔写真の代わりに食べ物の写真が溢れていて、もはやUberEatsのメニューよりも充実している。今日のデートはオムライスさん、明日は焼肉さん、と選ぶのが楽しみなのだろうか。そんな私の戸惑いはさておき、スイーツデコレーションアートのパイオニア、渡辺おさむの紹介に戻るとしよう。 作品の詳細はこちらから 渡辺は自身の作品を「フェイク・クリーム・アート」と呼ぶのだが、確かに例のお菓子づくりで使う、袋から絞られたクリームで出来ているのだから納得だ。ただ、ケーキの上にクリーム製の聖母マリア像を優雅に建立するなんて、誰が想像したろうか。お釈迦様なんて、甘い誘惑を纏いつつも、世俗的な考えに邪魔されることなく涼しげに禅に浸っている。クリームは実際は樹脂で出来ているが、レストランの食品サンプルのように、彼の再現力(美味しそうな偽のキャンディー、果物、カップケーキ)には、抗いがたい魅力がある。筆者もこの記事を書くだけで口がヨダレで溢れそうだ。 作品の詳細はこちらから 芸術とパティシエの才能を用いたスイーツアートを通して人々に幸せをもたらすことを使命とする彼曰く、「インスピレーションの源は、パティシエであり製菓学校の教師である母」であるという。印象派の大家であり、仕立て屋の息子でもあったピエール・オーギュスト・ルノワールが服を描くことに長けていた事実を鑑みても、親からの影響には合点がいく。そのルノワールの著名な肖像画「レースの帽子をかぶった少女」を、渡辺が味わい深いオマージュ作品としたのも偶然ではないと思えてくる。味覚では理解できないとしても、視覚で楽しませる料理の達人による逸品であることは疑いの余地がない。 作品の詳細はこちらから アジアと西洋文化が融合する土地、日本。歴史的にも日本人は、火縄銃やカメラ、自動車など高品質に改善された製品を産出している。文化や芸術も例外なく融合し変質し輸出してきている。渡辺おさむのユニークなキッチンで、西洋のアートと製菓術が日本の独創性とカワイイムーブメントとの幸せな出会いを果たしたのだ。 作品の詳細はこちらから もっと芸術と食の至福のマリージュ、渡辺おさむの作品を見たい読者の方々についてはTRiCERA.NETでメニューをお手に取られてみてはいかがだろうか。また、この記事が舌に合う様であれば是非、ニュースレターへの登録をお薦めする。 渡辺おさむの詳細はこちら

ルーヴル美術館が7月6日に再開。現状と取り組み、そして課題とは?

 コロナウイルスの流行によって世界中で大きな変革が起こった。アートワールドも例外に漏れず、大きな経済的打撃を受けているようだ。ではフランス・パリに位置する美の殿堂、ルーブル美術館にはどのような影響があったのか。  フランスの美術館は数ヶ月にわたる閉鎖の後、ようやく再開し始めた。しかし、そこに祝賀ムードはない。来場者はマスクを着用し、オンライン予約システムを通じてチケットを購入し、体温検査の結果を提出するという。アートを見る上で、奇妙で新しいガイドラインによって運営されているためだ。  パリのルーブル美術館は政府のガイドラインが変更されない限り、7月6日に再び来場者の受け入れを開始する予定だ。それでも、コロナウイルス前のようにはいかないだろう。フランスのアートマガジン、ル・フィガロとのインタビューで、ルーヴル美術館のディレクターであるジャン=リュック・マルティネスは、旅行の制限により来場者数に深刻な影響があると述べている。  マルティネスは、ルーブル美術館の来場者数が70%低下すると見込み、また来場者の属性も大きく変化するとの予想だ。マルティネスは、以前はチケット販売の75%が外国人によるものだったが、政府による出入国規制により大きなマイナスを来たすと述べた。ただフランスでは夏の間、長い休暇を取るので来場者数の割合としては少ないが自国民の取り込みに期待している。世間がアート業界に暗い予想をする中、マルティネスは楽観的だ。  通常、ルーブル美術館は1日あたり10,000~15,000人の来場者を迎え、世界で最も多くの人々が訪問する観光スポットの1つとなっている。以前は訪問者は複数の場所から入場できたが、現状はイオ・ミン・ペイが設計したピラミッドを介してのみの入場に限っている。また博物館の約30%は完全に閉鎖するなどの措置を取っている。  彼の予測では、今後数年間は美術館の展示方法など変わらないとする一方、2023年には通常形態に戻るだろうと明かした。マルティネスは現況を911直後の美術館の来場者が減少した状況になぞらえ、この打開には想像力が必要であり、またルーブル美術館にはそれをするだけの力があると説いた。 copyright by https://www.artnews.com/art-news/news/louvre-coronavirus-reopening-attendance-drop-1202689059/

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