土曜日, 6月 19, 2021
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自然現象の可視化、人間の感覚への刺激

赤松 音呂「メテオン」(ミヅマアートギャラリー)

Akamatsu Nelo, ‘Meteon’, Acrylic, Glass, Sanukite, and etc. 2019
©AKAMATSU Nelo
Courtesy of Mizuma Art Gallery

‘メテオン’は5月29日から6月29日まで開催中。神奈川を拠点に活動する赤松ネロの作品が、東京・市ヶ谷田町のミヅマアートギャラリーで展示されます。

目に見えない自然現象である地磁気の効果を主に研究している赤松。しかし、この目に見えない現象を、独自の方法論で表現しています。

自然現象を具現化することで、彼の作品は視覚、音、時間、体験を中心とした作品となり、現象学的な体験となる。

本展では、熱気化の原理を利用した「メテオン」と、地磁気の存在によって流動的に回転するインスタレーション作品「チジキグモ」の新作2点を発表します。

赤松 音呂とミヅマアートギャラリーの声明によると、人間は第六感として磁気を感じる可能性があることが近年の研究で明らかになっています。赤松はこの「地磁気」というテーマを作品に取り入れています。

Akamatsu Nelo, ‘Chijikigumo’, Mixed media 2019
©AKAMATSU Nelo
Courtesy of Mizuma Art Gallery

熱の気化の原理や地磁気の影響を可視化した作品でありながら、五感で自由に作品や展示を感じてほしいと考えています。私たちの第六感とは何なのかはわからないかもしれませんが、本能的に何かの現象を感じることがあり、それを第六感としたいと考えています。赤松が扱うテーマを押し付けることはありません。

赤松の自動で動くインスタレーション作品は、微妙な音を出しながら動作します。目や耳といった人間の五感を刺激する作品は、私たちを目覚めさせてくれます。赤松が探求する自然現象を感じることができるかどうかは別として、慌ただしい生活の中ではなかなか感じることのできない「五感で覚醒する」という体験をしてみるのもいいかもしれません。

記事を書いた人:Jeongeun Jo
韓国出身、日本在住。東京藝術大学大学院美術研究科を卒業したTRiCERAのメンバーの一人。アーティストとしても活動しています。

Shinzo Okuokahttps://www.tricera.net/
1992年東京都出身。大学でインド哲学を学んだ後出版社に勤務し、アート雑誌と神社専門誌の副編集長として雑誌及び書籍の企画・編集に携わる。2019年にスタートアップ企業である株式会社TRiCERAに参加、日本初の現代アート専門の越境ECの開発及びアーティストのマネジメント、自社オウンドメディアの立ち上げを担当する。特技は速筆で、雑誌時代には1ヶ月で約150ページを1人で取材・執筆した。

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Quick Insight vol.1 – yuta okuda-

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 オーストラリア在住の大泉沙知は、最初は油絵を学び、その後日本画を学び始めました。彼女の作品の特徴は、洋画の油絵と日本画の伝統的な画風を併せ持つことです。日本以外の国に長く住んでいたこともあり、「日本人と外国人のハーフ」と表現しています。異文化への感性を持っているからこそ、多様な作品を生み出すことができるのです。 日本画を始めたきっかけは? -オーストラリアに移住してから日本画を始めました。メルボルンのアンティークショップで日本画を見つけて、美しいと思ったのがきっかけです。私自身が日本人であるにも関わらず、日本にいない時に日本を客観的に見ていることに気付きました。だから、海外に住んでみて日本画の特徴に気がつきました。 日本画は絵画の表現だけではなく、生物でもあると思うんです。有機的な素材を使っているからかもしれませんが、有機的な世界が日本画の魅力の一つだと思います。 Samantha Summer Solstice, 116×116cm 油絵と日本画では画材や手法が違います。どうやって慣れたんですか? -ーーそうですね。作り方が大きく変わりましたね。油絵はインスピレーションが大事で、それに頼っていました。でも、日本画は根気が必要なんですよ。準備が全てで、一つ一つの工程がはっきりしている。先を考えて描くチェスのようなものですね。過程だけでなく、作品に対する姿勢も変わってきたかもしれません。 アプローチの仕方や制作の仕方を変えるのは大変そうですね。どうやって適応したんですか? -そうですね、大変だったかもしれません。でも、オーストラリアに引っ越してきた時に、全く絵が描けなかった時期がありました。たぶん7~8年くらいは全然描けなかったんですよ。 オーストラリアは自然が豊かだったので、絵が描けない時は昆虫採集をしたりしていました。それが影響してか、日本画の有機的な部分に興味を持つようになりました。有機的なものや自然環境などの大きな枠組みを見ていると、それまでやっていたインスピレーションに満ちた創作は、とてもナルシストで小さく感じられました。 An Asian plum, 14×18cm それで仕事を見直されたんですか? -そうですね、もっと広い世界が見えた気がしました。そこから「本物の絵とは何か」ということを自問自答するようになりました。 その時に思ったのは、20代と60代の頃に作った作品と、20代の頃に作った作品の方が良いという比較をしていたんです。それをきっかけに、もっと真剣に自分の絵と向き合わなければいけないと思いました。 モチーフやテーマは何ですか? -リザードがよく家に来るので、それをスケッチしてモチーフにしています。私の絵の世界はどちらかというと抽象的な世界だと思います。手前に有機物を使うことが多いので、背景に世界が見えるようにしています。金色は説得力があるのでよく使います。 Jungle garden, 72×100cm 今後の活動について教えてください。 -日本画の経験がまだ少ないので、もっと勉強したいです。日本画は技術がとても重要なので、もっと技術を磨いていきたいです。また、私自身は日本人ですが、海外での生活が長くなってきたので、「フル」というよりは「ハーフ」になってきています。円山応挙のような古い伝統的な絵画が好きなので、日本の文化を海外に広めていきたいです。

更新される雨~もっとも身近な非日常のあり方~

 雨は人間にとって、もっとも身近な非日常ではなかろうか。  そして、その非日常は数々のドラマを生み、小説や絵画など様々な形となって人の心に波紋を生んできた。  日本人にとっては教科書などで馴染みの深い歌川広重作《大はしあたけの夕立》。かのゴッホが模写したことでも知られるこの作品は世界で初めて雨を線で描写したということを知っているだろうか。(諸説あり)それまで絵画の中で、雨は傘や濡れた地面の光の反射によって表せれてきた。しかし《大はしあたけの夕立》が海を越えたことによって、世界の雨の形がアップデートされたのだ。  本記事では150年以上前に描かれた名画、《大はしあたけの夕立》に変わる新たな雨の表現を追求するアーティスト数名をご紹介しよう。 marthac-art 作家の詳細はこちらから 菊地爽秀/Sousyu Kikuchi 作家の詳細はこちらから 氏江樹穂/Kiho Ujie 作家の詳細はこちらから 伴野加代子/Kayoko Tamino 作家の詳細はこちらから Sai Seinan 作家の詳細はこちらから LOCO 作家の詳細はこちらから

NO BORDER-もしくは横断する力について-

TRiCERAでは11月21日(土)から12月5日(土)までグループショー「NO BORDER」を開催します。この記事ではアーティストを選んだポイントや各アーティストの見所を解説したいと思います。 「分からなさ」を楽しむアート 今回はジャンルや線引きが難しく、型にはめて鑑賞することが出来ないような方々を選出しました。日本にも海外にも、それから今も昔も、アートにはいろいろなジャンルがあります。今回選んだアーティストは既存の枠組みからは説明が難しい方々が多いと思います。でも言葉に出来ないということは、それだけ新しさを持っているということの証拠かも。 目で見て楽しむことももちろんですが、その作品の魅力を言葉で楽しむことができる点は現代アートの特権かもしれません。絵具やキャンバスの裏側にあるアーティストの思考そのものを、ぜひ楽しんでみてください。 参加アーティストについて-注目するポイント- 平田尚也 | Naoya Hirata 平田さんは1991年長野出身のアーティストですが、特徴はなんと言ってもネット上から集めたデータを使って仮想空間で彫刻を制作するという姿勢。だから自分のことも彫刻家だと言います。平田さんは「空間性と時間性を持ったものが彫刻」だと考えていて、既存の空間や素材(鉄や木材)の捉え方が違うだけで、やっていることはトラディショナルな彫刻作品なのです。彼の作品は「デジタルとリアルは対義語なのか?」と考えさせられ、何より現代人である私たちにとっての空間や時間を問い直すきっかけにもなります。 預言者 2019 33 × 27.5cm アルミニウム合金にデジタルシルバープリント Edition1/3  作品の詳細を見る 畑直幸 | Naoyuki Hata 九州を拠点に活動している畑さんは、最近では被写体に色を塗って撮影するというスタイルで制作をしています。人間の目は光を反射によってものを見たり、色を判断したりしますが、畑さんの作品を見ていると、自分たちの目に見えている色は本当の色とは違うかもしれないなという思考と直結すると思います。ある意味、人間の視覚を試すような写真作品なんですね。 g/b//u/ #1 2020 29.7 × 42cm デジタルシルバープリント Edition1/10  作品の詳細を見る 斉木駿介 | Syunsuke Saiki 斉木さんはキャンバスをディスプレイに見立てた絵画を制作するペインター。情報やコミュニケーションの多くをスマホやPCに依存している私たちにとって端末のディスプレイは目そのもの、視界そのものに近いと思いますが、そういう現代人のパースペクティブであるディスプレイを模した斉木さんの絵画は、ある意味、存在それ自体がすごく立体的だと思います。私たちの目そのものを取り出したかのような、どこかシニカルさがありますよね。 日常とディストピア...

寺床まり子|記憶の景色に魅せられて

絵を描くことは寺床まり子にとってライフワークであり、過去現在そして未来へと絶え間なく続く営みだ。幼少期から絵画に親しみ、今日までその道から視線を外さずに今日の立ち位置まで歩んできた。三重県に生まれ、名古屋造形短期大学で洋画を専攻。「多くの素晴らしい画家や先生に出会う過程で、その影響が自分を作家として育ててくれた」と語る。 寺床の洗練された抽象画は、日本のみならず世界の美術界でも高い評価を得ている。自由美術協会に所属しつつ、これまでに埼玉県立近代美術館、東京のギャラリーや、ソウル・Kepcoアートセンターなどで個展を開催し、2022年11月にはニューヨークのArtifactでの個展開催も決定している。また、グループ展参加も多数、米国での発表にアジアのアートフェア参加と精力的な活動を繰り広げる。   作品のテーマを「記憶の色」と説明するように、彼女の絵画は、観る者に人生の心温まる瞬間を思い起こさせる。水、山、空、植物などの自然の色や街の色を、美しい色彩の重なりを巧みに用いて表現していく。それは彼女の個人的な記憶でありながらも、鑑賞者をも、美しいデジャブのような「記憶の風景」に誘い込み魅了する。 アーティスト詳細はこちらから

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